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注意して!土用の体調と過ごし方

土用は年に4回きます。

注意すべき土用の体調と過ごし方について解説しましょう。

目次

土用ってなに?

土用とは、雑節(ざっせつ)のひとつで二十四節気だけでは十分に季節の変化を読み取れないために補助的に日本で考えられた暦です。

土用は夏だけと思われている人が多いと思います。が、土用は年に4回四季毎にあるのです。そして、その季節毎に気をつけることが変ってきます。


自然哲学の五行思想(ごぎょうしそう・万物は木火土金水の5つの元素からなる)で割り当てられます。


春=木夏=火秋=金冬=水そして、その間の季節の変わり目毎に土が割り当てられた時期を土用といいます。

土用とは、雑節日本で考えられた暦を自然哲学の五行思想(ごぎょうしそう・万物は木火土金水の5つの元素に割り当てられたイメージ図

土用はいつからいつまで?

最初の日を「土用入り」最後の日を「土用明け」といいますが、土用が明ける日はそれぞれの季節の節分となります。

毎年立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間も続きます。

春の土用と四季イメージ
土用の丑の日サンキュ!https://39mag.benesse.ne.jp/kosodate/learning/content/?id=113385

土用の過ごし方次第でかわるかもしれません。では、気をつけることをまとめてご説明していきましょう。

土用にはしてはいけないこと

土用にはしてはいけないこと(避けた方が良いこと)があります。

大きく3つに分けて「してはいけないこと」をまとめますね。

土をいじることはダメ
・地鎮祭
・造園・土木・エクステリア工事
・土を動かすこと(盛り土・穴掘り含む)
・井戸掘り
・土いじり(ガーデニング含む)
・新居の購入
・増改築、リフォームを始めること

移動することはダメ
・引越し
・吉方位旅行

新しく物事をスタートさせることはダメ
・開店・開業
・新規プロジェクトの着工
・新規の契約
・就職・転職
・結婚・結納
・新居の購入

いろいろありましたね。春、新年度はこれらがつきもので避けられない人も居るかもしれません。なぜ土用にはこれらをしてはいけないのでしょうか。

理由は、土用は「パワーをダウンさせる期間」だからです。

土用と体の関係について以下の記事で詳しく説明しています。春の土用に起こりやすいことはこちらをお読みください。そもそも土用とは?という方には、以下の記事をお読みください。

暦と東洋医学から土用に体調面で気をつけることの簡単な説明はこちらです。

土用に特に避けたほうがよいこと

土用と体調

多くの患者さんを見ていてわかるのですが、”土用”胃腸の調子が狂っていつもより食べ過ぎたり、飲みすぎたりしてしまう、または、胃腸の調子が狂うのです
暦的に土用は「脾胃(ひい)」に対応します。この「 脾胃(ひい) 」とは胃腸のことを指します。人間は自然に逆らえないことが如実にあらわれていると感じます。
日頃から胃腸が弱いから気をつけている人は特に崩してしまいます。

東洋医学では土用は脾と対応しているイメージ

まず、土用は次の季節に体を慣らしていく期間なので、うまく付き合うことで一年中体調良く過ごせるチャンス。土用の時期にいつもと同じように食べたり食べ過ぎて、消化吸収に力を費やしていると、次の季節へ体の準備が追いつかなくなります。

なので、できるだけ土用の時期は平素より食べることに気をつけたいものです。土用に食べる量を減らすなどで消化の働きに力を使うことを減らし胃腸を労わると、その分の力で次の季節にカラダが順応しやすく体調も良くなるのです。

土用の基本注意事項

土用に入る前から、胃腸を労り消化のよい物を食べたり、食べる量を減らしておく、そして、便秘には注意し便通を良くしておくことが大切です。内臓の中を空にしておくくらいのつもりで、土用を迎える前から楽に過ごせ、胃腸を休ませて次の季節に順応できる体にしておくと季節の変わり目が楽に過ごせます。

人によって、胃腸の症状からイライラと湿熱が結びついてしまうタイプがあります。イライラや湿熱になると戻りにくくなるだけではなく、もっと次の症状に進行していきます。土用の胃もたれや食べ過ぎをそのままほおっておくとどうなるかについてはこちらをお読みください。湿熱チェックはこちらへ

土用は胃腸の調子が狂っていつもより食べ過ぎたり、飲みすぎたりしてしまう、または、胃腸の調子が狂う女性の図

その他にも土用の後起こる症状には、季節の変わり目に腰痛が出る、肩の痛みやこり、腰のこりや痛みが起こる、または体調を崩すという筋骨格系の症状です。

首凝り肩こり腰痛が起こって痛みを全身に抱えている女性の写真

このような場合は痛い部位や凝っている部位だけをマッサージしたり、鍼をしたりしてもスッキリとは治らずに繰り返すことがあります。毎年季節の変わり目、同じ時期に痛みや凝りの症状が出る人は、胃腸の弱りを改善しなければ、取りにくい痛みや症状という可能性があります。

土用と体調のエピソード

土用は土の掘り起こしや土いじりはしてはいけないけれど、関係なくやってしまっても良いのではないか、という考えもあります。が、私が整形外科に勤めていた頃のエピソードをお伝えしておきます。

毎年土用の時期はぎっくり腰や腰痛が悪化する人で混み合いました。その中で特に印象的だったのは50代前半のご婦人です。

腰痛で整形外科にかかる女性イメージ

聞けばお庭の雑草取りを2日続けてして動けなくなったとのこと。「ぎっくり腰ではないけれど、去年も一昨年もこの時期にひどい腰痛になった」とご本人もわかっていらっしゃいました。「たった2日草むしりをしただけなのに」と毎年悔やんでいました。

土用に草むしりイメージ

普通は50代前半位であればそこまでひどいことにはならないはずです。

ぐんぐん雑草は伸びますから土いじりがダメ、農作業もダメとなると春は特に困ることになります。では、どうしたらいいんでしょう?

こういうときには、「間日」に行いましょう。

土用の間日

どの季節の土用でも18日間続きます。

土用の期間やってはいけないことがあるなんて、どうすればいいのか不安に思ってしまう人も多いでしょう。
それぞれの土用には「間日(まび)」という日があり、「間日(まび)」は、土用の期間にやってはいけないこととされていることを、やっても良い日とされています。

季節ごとに決められていて、
「春土用」は「巳の日」「午の日」「酉の日」
「夏土用」は「卯の日」「辰の日」「申の日」、
「秋土用」は「未の日」「酉の日」「亥の日」、
「冬土用」は「寅の日」「卯の日」「巳の日」が
「間日(まび)」にあたります。

土用期間の過ごし方で運気や健康管理、間日について、どんなタイプが体調を崩しやすいかまた、どんなことに注意すればよいかを詳しく書いています。こちらをお読みください。

土用に食べると良いもの

いけないことばかりの土用では、つまらないし、楽しくありませんね。ここからは、良い物をお伝えしましょう。

土用はそれぞれの季節毎に食べると良い物があります。

料理に使いやすい食材が多いので、取り入れてみるといいですね。

旬の食材を使ったものを食べるのもいいとされています。

土用は季節の変わり目。
昔の人は、体調を崩しやすいこの時期、その季節の滋養のあるものを食べてのんびりする、という事で乗り切ってきたのですね。

土用に変化

ただし、近年の気候変動で暦と季節気温の関係は大きく変化しています。そして、何よりもコロナ禍で外出の制限に慣れてきてしまい、運動不足が続くことから血行不良になっていて、加えておうち時間が長くなることで、食べたり飲んだりして「空腹の時間が減っている」「太ってしまった人(体重・体型)が増加」しています。

春の土用ちおうち時間が長くなるステイホームイメージ

世論調査

  • コロナ太りは全体の35.3%!体重の増加量が大きい人ほど、コロナ禍が影響している傾向あり!
  • 「週1~2日」「気がむいた時」に運動をしている人は、コロナ太りした人の割合の方が多かった!ダイエットを気にしているのか、運動をし始めた様子がうかがえる!
  • コロナ太りした人はそうでない人と比べ食生活の変化は、「食品摂取の偏り、バランスが悪くなった」の割合が最も多かった!
  • テレワークを実施している人ほど、「コロナ太り」が多い傾向!
  • 約4割の人が「肥満がある人が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすい」を知らなかった!
コロナ禍にテレワークで太った女性イメージ

マンスリーレポート
-コロナ太りに関するアンケート調査 –

統計分析研究所株式会社アイスタットhttps://istat.co.jp/investigation/2021/05/result
コロナ太りと食品接種の偏り調査イメージ

あなたは、2年前の体重と現在の体重を比較したことがあるでしょうか。または、ウエストやヒップ背中など、今まで着ていた服がきつくなったなど思い当たりませんか。

これらに当てはまる人は、胃腸以外に消化器の肝臓や膵臓、胆嚢等に負荷がかかっているかもしれません。土用をきっかけにして食べ過ぎ飲み過ぎていた人は、減らしていくことを考えてみませんか。次に消化器系以外の土用に起こりやすい事をお伝えします。

土用の障害

土用に避けるべき食品

間食や飲酒が増えれば、消化器系に負担がかかりますし、食品摂取の偏りからバランスが悪くなるのですが、中でもオメガ6等の油類が体に炎症を起こしやすくする理由があります。そこに体重の増加が加われば、腰痛や膝痛も出やすくなります。

先のエピソードに登場したご婦人のように、体の痛みも起こりやすいのが土用です。『ぎっくり腰ではないがひどい腰痛になった』『朝起きたら首を寝違えていた』などの体の痛みが出やすくなります。

オメガ3とオメガ6油の違いイメージ

【油博士コラム⑧】オメガ3とオメガ6

丸太のエゴマ

例えば春は、土用とは関係なくても気圧の変化や環境が変ったりして、イライラ感じやすい時期です。ストレスを食事で解消する癖のある人は、気をつけましょう。ファストフードやジャンクフード、添加物まみれの食事は控えた方が良いですね。イライラを抑える簡単方法と食べ物について役立ててください。

土用の食べ過ぎで生じる病理産物

オメガ6系脂肪酸を使った食事に偏ると、再びイライラと胃腸の症状か生じます生じます。元来油物は湿熱に悪影響するのですが、土用や胃腸が弱っているときにそのような物を食べれば、どんどん湿熱が災いします。

この湿熱は、病理産物で、粘りっこく、ヘドロのように熱を持ちます。便がなかなか切れず、便器にこびりついたり、臭いおならがでたり、体の丈夫にまで及ぶと、頭痛や不眠といった症状に繋がるやっかいなものなのです。

さらにイライラを引き起こします。ここまで行くと湿熱は戻りにくくなだけではなく、どんどん次の症状に進行していきます。土用の胃もたれや食べ過ぎをそのままほおっておくとどうなるかについてはこちらをお読みください。湿熱チェックはこちらへ

土用は胃腸の調子が狂っていつもより食べ過ぎたり、飲みすぎたりしてしまう、または、胃腸の調子が狂う女性の図

美味しいと感じるもののほとんどにオメガ6の油脂が使われているので、急にこれらを控えることは難しい人も居るかもしれません。が土用の時期をきっかけにして、見直してみるのも良いでしょう。

土用に胃腸もたれを放っておくと

ここからは、春の土用を例に季節の移り変わりが体調に及ぼす変化について書いていきます。

日本では、5月6月には南から北へと「梅雨」が来ます。

湿度が高くなりジトジトしてくるので、先ほどお伝えした脾が弱いタイプは湿度にも弱いので、痛みや体調不良が起こる(梅雨の痛みについて)事になりかねません。これから気をつけるとよいことはこちらをお読みください。

もしもこの時期を注意せずにすごしてしまうとどんな症状がでるかについては、土用の”胃もたれ””食べ過ぎ”を放っておくとどうなりますかの記事をお読みください。

体調管理が難しくなるこの季節。食生活を上手に工夫して、この季節から初夏を元気に過ごしましょう。

土用に試して欲しいこと

コロナ禍に限らず、土用には食事量をいつもよりも少なくして、できれば食事や間食をしない時間を作ってください。ファスティング(断食)をしている方も多いと思います。まだ食べ過ぎている人は、この時期に取り入れていくのもよいでしょう。

もう少し詳細に言うと、食べる時間を8時間以内に設定する方法があります。一日のうちで、16時間は食事をせずに残りの8時間で食事を済ませるというものです。

もっと簡単な方法は、「一口に30回以上咀嚼をする」ものがあります。少量で満腹感があるので食事量を減らしたい方におすすめです。満腹感は食べる量ではなくて、咀嚼した回数で感じるという研究結果もあります。

良く噛めば食欲をコントロールできる 食事の満足感も高まる

糖尿病ネットワーク https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics4_02.html

私は、土用の時期に食事量を減らしたり食事を抜くことで、土用も普段も体調不良がなくなりました。それ以来、土用に限らず減食を続けています。できるだけ16時間お腹にものを入れないようにしたほうが調子が良いので、苦になりません。普通に食べてしまった後は、食事は抜いてしまいます。

ただし、無理は禁物です。我慢しすぎると無性に食べてしまい、返って食べ過ぎて胃もたれになってしまうなんて事にならないように、気晴らしをしながらお試しください。

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