日本人の1/4いると言われる花粉症。花粉症に悩まされている人は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどさまざまな症状が現れます。そのほか、頭痛や倦怠感、悪寒、発熱なども起こるとされています。
抗アレルギー剤を飲まなければ辛い人は多くいらっしゃいます。薬を飲むと眠気が出て余計に辛く、くしゃみ鼻水はきついが、薬が飲めないと言う方は、これから先に出てくるタイプ別のツボ押しやお灸を試してみて下さいね。
花粉症とは
花粉症は、植物の花粉が体内に入ることによって起きるアレルギー反応のことです。体の免疫反応が花粉に対して過剰な反応を示すのが「症状」となって現われます。
花粉症の代表的な症状の「くしゃみ」「鼻水」「涙」これは、花粉を体内から追い出そうとする体の反応が原因となって引き起こされます。
花粉症のおもな症状
花粉症になるとどのような症状が起こるのか。以下に代表的な症状を挙げます。
- 倦怠感(だるさ)
- くしゃみ
- 鼻水、鼻づまり
- 目のかゆみ、涙、充血
- 咳
- のど・皮膚のかゆみ
- 皮膚のかさつき
- 頭痛
- 頭が重く感じる
- 不眠
- 熱っぽくなる
- 顔や体のほてり
- イライラする
- 悪寒
- 食欲不振
- 胃のもたれ
- 便秘
- 下痢
- 関節痛
個人差があり、これらが複数重なり合ったり、症状が起こる時期が長かったり短く済んだり、症状の強さも人それぞれです。
予防や対策は出来るのか
花粉症になると、さまざまな局所症状に加え、集中力の低下など全身症状が現れることもあります。
QOL(生活の質)が大きく損なわれる可能性もあるため、予防や対策ができるとよいでしょう。
アレルギー体質を鍼灸治療でもアレルギー体質の改善は図れます。鍼灸では生体の反応を過剰なものから正常に近づけるように導きます。
一番のおすすめは、症状のない時からアレルギー体質の改善をしておくこと。アレルギーの時期に備えるという方法です。もし、症状が出てしまっていたら治療戦略として、まず症状を沈静化します。
それからアレルギー体質は改善していくことが多いです。
花粉症の簡単ツボ押し
花粉症やアレルギーは日頃のケアや食事、生活環境(アレルギー物質)が大いに影響します。
そちらを替えていくことが望ましく、続けると改善していきます。
が、症状が出ている時期は辛いので、食事や生活環境に気を使いつつ取り入れられるのが、ツボ押しです。
やらずに辛いままでいるより、まずはやっていきましょう。
倦怠感を改善
足の親指の隣の指の爪の生え際にあります。ただし、小指側の生え際です。「れいだ」と読みます。
ここを指で揉んでみましょう。胃腸の働きを整えて、水分の巡りをよくする働きがあります。
症状が前々から有る場合は、湯船やお風呂上がりの指揉みを習慣にしてみてください。
お灸が使える人であれば、ここにお灸を据えてみましょう。爪の上にシールのお灸を貼って灰になるまで置いてください。
特に燃焼温度の高いお灸でなければ、爪の上はあまり熱さを感じないため、お灸の熱さに怖がることなく終わります。毎日据えるといいですね。
花粉症の症状別の体質
一言で花粉症と言っても、実は鍼灸で対処する際には「証(しょう)」や体質で使うツボや手技を選んでいきます。
つぎは、花粉症の症状別に深掘りしてみましょう。
くしゃみ・鼻水型、涙がでる
水分の代謝障害=「水滞」もしくは「水毒」です。まず、水はけを良くしていきます。身体の中にある余分な水の排出を積極的に促します。
水はけをよくしていくには、飲食物で取り込んだ水分の吸収ができる胃腸であることが重要です。それとともに、排出する力を養っていきます。
頻尿であったり、尿の回数は多いが尿量がでない場合、身体の冷えも疑います。日頃からむくみが気になる人は、これらに当てはまると言って良いでしょう。
体質からわかる邪気は「湿邪」です。湿気取りのツボは「陰陵泉(いんりょうせん)」の出番です。うちくるぶしから骨沿いに指でつたって上がり、膝の内側の膨らんだ骨にぶつかるところ、骨沿いを押してみて下さい。
痛みがあるようでしたら、「余分な水分がたまっていますよ」というお知らせです。治療も胃腸を整えることが前提となります。
そして、このタイプの人は梅雨の時期に体調を崩しやすかったり、日常浮腫やめまいといった症状を感じやすいかもしれません。
鼻閉型、眼球充血(赤目)型
鼻粘膜の充血や鬱血がみられ、これを微小循環障害=「瘀血(おけつ)」ととらえます。まず瘀血 (おけつ) を改善する必要があります。
瘀血(おけつ)とは、血の流れが滞ったことで病理産物が作られる状態です。症状がある時期だけ血を流せば良いのではありません。日頃から血の流れを良くして、出来てしまった瘀血(おけつ)を循環吸収させる「活血化瘀(かっけつかお)」という手技を加えます。血を流す力が無い場合は「補血(血を補う手法)」も同時に行います。こらから瘀血(おけつ)を作らせないために重要です。
瘀血(おけつ)に加えのぼせ、肩こり、イライラなど「気逆」の状態が一緒に見られることもあります。これは、氣を下ろして、全身にまんべんなく巡らせることで緩和します。イライラしたり肩こりがあって辛い方は、イライラを抑える食べ物や方法をご覧ください。
また、アロマで花粉症の鼻づまりをスッキリさせたり、ストレスを抑える香りをブレンドして生活に取り入れることもよいでしょう。
宇治園オフィシャルECサイトhttps://www.uji-en.co.jp/ 川島朗先生の「東洋医学コラム第4回」
これらに有効なツボに「三陰交」があります。このツボ一つで「 活血化瘀」 と「補血」の穴性(ツボの効能)があるため、日頃から揉みほぐしておきましょう。
女性が瘀血(おけつ)や血が足りない身体の状態であれば、月経痛を伴っているケースが多々見られます。ふくらはぎが硬い場合は、全体揉みほぐしておくとよいですね。
花粉症の薬の副作用で眠気が出る人
花粉症の症状を抑える抗ヒスタミン剤は、眠気やだるさの副作用が出やすいため、お薬が飲めないという人
または、抗アレルギー剤を12月くらいから飲み始めて、数ヶ月間は服用し続けないといけないが、お薬を飲むのを控えたい人には鍼灸がおすすめです。
鍼灸で和らぐ
いずれも施術中に気持ちが良くてウトウトすることはありますが、ずっとだるくて眠くなるという副作用はありません。他の抗アレルギー剤の副作用に悩まれる方や、服用を減らしていきたい方は、鍼灸での改善がベストになることでしょう。
花粉症の症状がない時期
患者1人1人に対し変わりますので、決まったものはありません。ただ、症状がなくなると治療を続ける動機が薄れてきて、つい間が開いてしまう。そして、花粉のシーズンがくると再びお見えになるという渡り鳥のような方もおられます。できることなら、多少間が開いても症状のない時期に治療を受けていただきたいです。
花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎だけではありません
患者さんの全身状態を四診(視る、聞く、嗅ぐ、質問する、触れる)により把握し、局所の周辺(目・鼻とその周りの顔)を注意深く観察し証を見立てます。粘膜の状態は鼻にとどまらず、口腔内、咽頭、眼球結膜を、皮膚の状態も観察します。最後に精神状態の診断を加え、総合的に判断して決定します。アレルギー性鼻炎だからこのツボなどと簡単には決められないのです。
四診とは
ハル薬局「漢方よもやま話-弁証論治」
鍼灸を受けるメリットはこの点にあります。花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎が改善とともに、体質から派生したその他の症状、例えば腰痛や膝痛めまいが減る等、日々元気に過ごせるといった体質の変化が見られます。