外出自粛で屋外で過ごす時間が減っている今日この頃、運動不足になっていますよね。でも、外出自粛が招く悪循環は運動不足だけではないのです。
外出を自粛すると足りなくなる栄養素とは
陽も伸びて気候的に一番外出しやすい時期ですが、特に5月から8月にかけて紫外線が強くなり、紫外線量が多くなると言われます。紫外線を浴びすぎると日焼けだけではく、皮膚を乾燥させてシワやシミの原因になったり、細胞のDNAに傷をつけることもある侮れない紫外線。日頃はこの紫外線から逃れる工夫を駆使していらっしゃると思います。
ですが、体に必要な栄養素と紫外線が関係することは、ご存知でしょうか。
紫外線と関係する「体に必要な栄養素」とは
紫外線の浴び過ぎには注意!をうまく利用して体に必要な栄養素をとりこみましょう!

有害な事ばかりがクローズアップされる紫外線。実は「体に必要な栄養素」を生成する大切な働きをしているのです。その栄養素は「ビタミンD」 紫外線と上手に付き合いながらビタミンDの不足が起こらないようにすることを忘れてはなりません。

外出自粛で栄養素が足りなくなることで起こる病気
ビタミンDは骨量を保ち、骨粗鬆症を防いだり健康のために必要な栄養素で、日本人はビタミンD不足の割合が高いといわれています。
食物からのカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を一定の濃度に保つ働きがあり、骨格を健康に維持するために役立ちます。
ビタミンDが不足したり、摂取が少なすぎる人は骨が軟化し、細くなり、もろくなる病気を発症する恐れが高まります。小児の場合は「くる病」、成人の場合は「骨軟化症」と呼ばれる病気がそれにあたります。

体内での働き
ビタミンDは全身の細胞内に存在すべき栄養素なのです。
天然型ビタミンDは食事として摂取されるものと皮膚で紫外線を浴びて合成されるものとがあります。体内に取り込まれた後、肝臓、腎臓で代謝されて活性型ビタミンDになります。
活性型ビタミンDは、腸管からのCaの吸収を高め、骨の石灰化を促進して骨密度を増加させる(新陳代謝を高める)働きを有しています。その結果、骨折の予防・抑制へとつながるのです。 ビタミンDの骨以外の作用についてはいろいろな研究がなされています。
更年期を迎えた女性は、エストロゲンの分泌が少なくなることで骨が弱くなるため積極的にビタミンDを活性化させることは重要です。骨折して骨密度が低下していることがわかる人もいらっしゃいますが、徐々に骨が弱くなっていくので初めは関節が痛んだり、動きにくくなったなどで現われます。女性の更年期についてはこちらで詳しく説明しています。更年期の様々な症状についてはこちらをお読みください。
外出自粛で栄養素が足りなくなることで
また、ビタミンDはその他に、癌、炎症、免疫、心血管系、皮膚、筋肉などへの作用が報告されています。
皮膚科領域では乾癬(かんせん)の治療薬として用いられていますし、筋肉へ作用し、転倒を抑制するとされていますので、不足すると医薬品として処方されることがあります。
筋肉を動かすことは、骨を強く保つ事に繋がります。

神経が脳と身体のあらゆる部位との間のメッセージを伝達すして、転びそうになったときには体が反射的に動いて転倒を防止する動きができます。

さらに免疫系が体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するために不可欠です。日向ぼっこや海水浴が風邪を防ぐといわれる理由です。

さてここからは、「天然型ビタミンD」についての説明をしていきましょう。
紫外線とのつき合い方
紫外線を浴びて「天然型ビタミンD」を自ら生成できるなんて、すごいことだと思いませんか!!でも、特別なことが必要なのか気になりますね。
紫外線は皮膚から吸収されます。観るだけではだめですが、浴びればいいんです。
要は、紫外線の強さを意識して、ビタミンDを生成するだけ浴びることができればいいのです!
紫外線を吸収する部位を多くする
・腕まくりをして日光に当てる
・襟元をあけてみる、デコルテのあいた服を着てみる
・暖かい日には、半袖短パンツも!
・「手のひらを太陽に」の歌詞の様に手の平が太陽に当てる

時間を短くしながら、照射される面積を多くすれば、一か所に当たりすぎませんので工夫してみましょう!
「急激に強い紫外線を浴びないこと」に注意してください。
外出を自粛している時こそこの方法を取り入れやすくなのではないでしょうか‼
外出できない、外出は避けている人は
外出できないまたは、外出は避けている、日光に当たる場所がない人は、日光に当たる機会が少なくなってしまい、ビタミンD不足に陥る可能性があるため注意が必要です。他から補うことを心がけましょう!
食事からビタミンDを摂取することすることもできます。
ビタミンDを簡単にとれる食材
食事からビタミンDを補給するのに最高なのは、「サーモン」や「マグロ」のような脂質の抱負な魚です。いずれの魚も、脳と心臓の健康に寄与する優れたオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。また、魚類は良質なタンパク質の宝庫としても知られていますので、チキンや肉料理に飽きてしまったら魚料理に切り替えるきっかけになります。

サーモンと同じようにおすすめなのが「メカジキ」です。しかもカロリーは 低いので、ダイエットを意識している方にはうれしい食材です。
「卵、特に卵黄(らんおう)」部分にビタミンDが多く含まれています。そして、卵が優れているのは、ビタミンDの含有量ばかりではありません。免疫系を強化するビタミンA、そして脳を健康に保つのに不可欠な水溶性の栄養素コリンも豊富に含んでいます。

「卵黄」にはさらに、健康な目の味方であるカロテノイド(特にルテインとゼアキサンチン)という色素も含まれており、その利点も見過ごす訳にはいきません。卵黄にはサルモネラ菌が含まれていることがあります。疲労で抵抗力が弱っているときは特に感染症にならないようにしっかり加熱して食してくださいね。
「牛レバー」は財布に優しい上、タンパク質など栄養価の高い最高の食材。ビタミンDが含まれているばかりでなく、ビタミンB12、ビタミンAなどの必須ビタミン、さらにリボフラビンや銅などについても、1日の推奨摂取量を完全に満たすだけの栄養素を備えた素敵な食材なのです。
「オレンジジュース」には、ビタミンDが大量に含まれています。さらには、1日に必要とされる分量のビタミンCが摂れることもうれしいところ。ですが、240ミリリットル程度に留めておかないと、糖分の摂りすぎとなってしまいますので、くれぐれもご注意ください。

カルシウムを多く含んでいる「牛乳」は、吸収しやすいタンパク質も豊富に含んでいて健康な骨を作るのに適した食材ですが、乳製品を避けているという人も少なくありません。豊富なビタミンDを含んでいる「豆乳」、もしくは「アーモンドミルク」で代用してもいいでしょう。
もちろん、「きのこ類」はビタミンDが多いですね。「干ししいたけ」にビタミンDが多い理由に納得できますね。余談ですが、きのこは野菜ではなく、菌類のきのこ類だそうです。

ビタミンDの筋肉への作用について
骨格筋にはビタミンD受容体が分布しており、ビタミンD欠乏が筋力低下に関連する。Ⅱ型筋線維へ作用することにより体幹の揺れが減少し、転倒を抑制することなどが明らかとなっています。
ストレス解消に筋トレが効果的であることと関連しますね。ストレス解消に運動が効果的な理由について詳しくまとめています。こちらをお読みください。
外出を自粛していたら体が動かしにくくなって歩けなくなってしまう高齢の方が増えています。実家に帰省できなくてご高齢のお父様お母様のことが心配な方も多いと思います。

体幹や脚の筋肉が使えなくなると部屋の中でも転びやすくなります。例えば、簡単な段差につまずいたり、座っていたところから立ち上がろうとして足が動かず後ろにひっくり返ってしまったり、些細な動作で起こります。
年齢が上がれば上がるほど、栄養状態や活動量の日々の積み重ねが大きく影響します。
体力があれば「運動して!」「歩いてね!」と声をかけてあげる。
体力や気力が低下しているようであれば、「日光浴」だけでも勧めてあげてください。
「10分腰かけて日に当たって帰ってくる」のも体力と生活のリハビリになります!
運動不足が気になる時こそビタミンDの生成に目を向けてみましょう。