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【女性ホルモンの減少と骨粗鬆症】プレ更年期からやっておくべきこと

女性ホルモンと骨密度年齢との関係イメージ

女性ホルモンにはいろんな働きがあります。その一つに骨密度を保つ役割があります。
女性ホルモンが減るから骨密度も減って当たり前と思わずに、ちょっとしたことを今日から意識していきませんか。

目次

女性ホルモンと骨密度の関係

女性ホルモンが減少すると骨がもろくなると聞いたことがあると思います。
骨は常に代謝を繰り返しているのですが、これは、エストロゲンの「骨の形成を促し」、「骨の吸収(古い骨を壊す)を抑える」働きによる恩恵なのです。
ところが、40代以降になるとそれまで骨を守っていたエストロゲンの分泌が減少します。女性の骨は、もともと男性と比較して骨量が低い。そこに更年期のエストロゲン分泌低下が加わることで骨粗しょう症の発生が急増するのです。
骨密度が低下し、骨の質も劣化して骨がもろくなる。進行すると骨折の原因になるという経年変化があります。

女性ホルモンと骨密度年齢との関係イメージ

骨粗しょう症は見た目での変化がわかりにくいため、身長が低くなって気づいたときにはもう骨はスカスカだったという話は少なくありません。40代を過ぎ女性ホルモンが減少し始める時期から、骨の状態に気を配りっていきましょう。

女性ホルモンと骨密度

骨と言えば、カルシウムが真っ先に思い浮かびますね。(エクオールというエストロゲンとよく似た働きをする物質も減少すると言われます。)骨は常に代謝しているので、カルシウムは骨から溶け出しています。エストロゲンは、骨の新陳代謝に際して骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きを担っています。


なので、エストロゲンの分泌が少なくなれば、カルシウムを摂取していても溶け出してしまうわけです。カルシウムは筋肉の収縮や血液の凝固、神経伝達に関わるなど重要な働きをしていますから、骨から溶け出てそちらに使われています。カルシウムの摂取量が少ないと、次から次へと骨からカルシウムを血液へ補わねばならず、骨の中のカルシウムが失われてしまうのです。

女性ホルモンと骨密度 【摂るべき栄養素】

【摂るべき栄養素】 ①

カルシウムを多く含む食べ物を積極的に食事から取り入れていきましょう。どんな食べ物に多く含まれているかと、どの位の量が必要か以下をご覧下さい。

「乳製品だけに偏ることなく、小魚や野菜なども取り入れてバランス良く食べるということですね!1日のカルシウム推奨量は700mg程度。乳・乳製品は2~400mg、野菜や小魚なども2~400mgです。大豆製品・海草・きのこ類を組み合わせて食べることが、よりカルシウムの吸収を高めるために必要です」

カルシウムというと乳製品がよく取り上げられますが、乳製品だけから摂らなくても、小魚や野菜などでも摂ることができます。乳製品の1日の摂取量は、少なくとも牛乳ならコップ1杯(約200ml)、ヨーグルト(小カップ)なら2個ぐらいを目安にしましょう。牛乳やヨーグルトを多く摂ると、すぐに摂りすぎの量になってしまいます。どうしても乳製品が良い場合は、脂肪のないスキムミルクなどを替わりに摂るようにしましょう

東京医科歯科大学 周産・女性診療科(産科・婦人科学) 准教授 尾林 聡先生

偏りなくいろいろな物を食べた方が良いようですね。ただし、カルシウムだけを補っていれば良いというわけではないのです。

【摂るべき栄養素】 ②

更年期に伴って骨密度が低下するのは、女性ホルモンの分泌量減少だけが原因とは言えません。
他に、腸管でのカルシウムの吸収が悪くなったり、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなる。また、若い頃よりも食事量や運動量が減るといった生活習慣の変化も関係します。

加齢とともに生じる生理的な変化は、ある程度やむ得ないこと。しかし、そこであきらめずにできるだけ若い頃から、食事や運動に気を配ることで骨密度の減少を抑えることはできます。

「カルシウム」と一緒に「ビタミンD」は積極的に取りたいですね。

【摂るべき栄養素】が不足する事で起こる他の症状

ビタミンDは骨量を保ち、骨粗鬆症を防いだり健康のために必要な栄養素で、日本人はビタミンD不足の割合が高いといわれています。
食物からのカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を一定の濃度に保つ働きがあり、骨格を健康に維持するために役立ちます。

ビタミンDが不足したり、摂取が少なすぎる人は骨が軟化し、細くなりもろくなる病気を発症する恐れが高まります。小児の場合は「くる病」、成人の場合は「骨軟化症」と呼ばれる病気です。 

また、ビタミンDはその他に、癌、炎症、免疫、心血管系、皮膚、筋肉などへの作用が報告されています。
皮膚科領域では乾癬(かんせん)の治療薬として用いられています。

ビタミンDはホルモンでもあります。「ビタミン」と呼ばれるので、栄養素のみの働きと思いがち。

しかし、ビタミンDが不足すると血中カルシウム濃度を維持するために副甲状腺ホルモンが増加します。すると副甲状腺ホルモンは骨からカルシウムを放出してカルシウム濃度を維持するのです。ここでもホルモンバランスが関係してきます。

栄養素が不足すると起こる現象

ビタミンD筋肉への作用を詳しく 骨格筋にはビタミンD受容体が分布しており、ビタミンD欠乏が筋力低下に関連する。Ⅱ型筋線維へ作用することにより体幹の揺れが減少し、転倒を抑制することなどが明らかとなっています。

体幹や脚の筋肉が使えなくなると部屋の中でも転びやすくなります。例えば、簡単な段差につまずいたり、座っていたところから立ち上がろうとして足が動かず後ろにひっくり返ってしまったり、些細な動作で起こります。

【摂るべき栄養素②】の働き

ビタミンDは全身の細胞内に存在すべき栄養素。

天然型ビタミンDは食事として摂取されるものと皮膚で紫外線を浴びて合成されるものとがあります。体内に取り込まれた後、肝臓、腎臓で代謝されて「活性型ビタミンD」になります。

これが、前述した更年期世代に関係してきます。
活性型ビタミンDは、腸管からのカルシウムの吸収を高め骨の石灰化を促進して骨密度を増加させる(新陳代謝を高める)働きを有しています。その結果、骨折の予防・抑制へとつながるのです。 ビタミンDの骨以外の作用についてはいろいろな研究がなされています。

更年期を迎えた女性は、エストロゲンの分泌が少なくなることで骨が弱くなるため積極的にビタミンDを活性化させることは重要。

繰り返しになりますが、骨密度が低下してきてもわかりにくく、骨折して骨密度が低下していることがわかる人がほとんど。しかし、前兆はあって体の感覚として、骨が弱くなっていくために関節が痛んだり、動きにくくなったなどで現われます。プレ更年期の様々な症状についてはこちらをお読みください。

体が動かしにくくなって外出を自粛していたら歩けなくなってしまった高齢の方が増えています。既に骨粗しょう症なので転びやすくて筋肉で支えられないので骨に負担がかかり、簡単に折れてしまいます。

そして、筋肉へ作用し、転倒を抑制するとされていますので、不足すると医薬品として処方されることがあります。

筋肉を動かすことは、骨を強く保つ事にも繋がります。

神経が脳と身体のあらゆる部位との間のメッセージを伝達します。転びそうになったときに、転倒を防止する指令が脳から出て体が反射的に動いて支えることができます。

ストレス解消に筋トレが効果的であることと関連しますね。ストレス解消に運動が効果的な理由について詳しくまとめています。こちらをお読みください。

さらに免疫系が体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するために不可欠です。ひなたぼっこや海水浴が風邪を防ぐといわれる理由です。

病院で処方されるビタミンDは活性型です。が、むやみな服用は副作用の危険があると医師は言います。

医師の管理下に内服しないと副作用の危険がある。ビタミンDサプリメントは天然型のビタミンDなので補充する危険は少ない。

東京慈恵会医科大学病院 秋葉直志

さてここからは、医薬品のビタミンDではない「天然型ビタミンD」についての説明をしていきましょう。

摂るべき栄養素を食事から摂る

食事からビタミンDを補給するのに最高なのは、「サーモン」や「マグロ」のような脂質の抱負な魚です。いずれの魚も、脳と心臓の健康に寄与する優れたオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。また、魚類は良質なタンパク質の宝庫としても知られていますので、チキンや肉料理に飽きてしまったら魚料理に切り替えるきっかけになります。

サーモンと同じようにおすすめなのが「メカジキ」です。しかもカロリーは 低いので、ダイエットを意識している方にはうれしい食材です。

「卵、特に卵黄(らんおう)」部分にビタミンDが多く含まれています。そして、卵が優れているのは、ビタミンDの含有量ばかりではありません。免疫系を強化するビタミンA、そして脳を健康に保つのに不可欠な水溶性の栄養素コリンも豊富に含んでいます。

「卵黄」にはさらに、健康な目の味方であるカロテノイド(特にルテインとゼアキサンチン)という色素も含まれており、その利点も見過ごす訳にはいきません。卵黄にはサルモネラ菌が含まれていることがあります。疲労で抵抗力が弱っているときは特に感染症にならないようにしっかり加熱して食してくださいね。

「牛レバー」は財布に優しい上、タンパク質など栄養価の高い最高の食材。ビタミンDが含まれているばかりでなく、ビタミンB12、ビタミンAなどの必須ビタミン、さらにリボフラビンや銅などについても、1日の推奨摂取量を完全に満たすだけの栄養素を備えた素敵な食材なのです。

「オレンジジュース」には、ビタミンDが大量に含まれています。さらには、1日に必要とされる分量のビタミンCが摂れることもうれしいところ。ですが、240ミリリットル程度に留めておかないと、糖分の摂りすぎとなってしまいますので、くれぐれもご注意ください。

カルシウムを多く含んでいる「牛乳」は、吸収しやすいタンパク質も豊富に含んでいて健康な骨を作るのに適した食材ですが、乳製品を避けているという人も少なくありません。豊富なビタミンDを含んでいる「豆乳」、もしくは「アーモンドミルク」で代用してもいいでしょう。

もちろん、「きのこ類」はビタミンDが多いですね。「干ししいたけ」にビタミンDが多い理由に納得できますね。余談ですが、きのこは野菜ではなく、菌類のきのこ類だそうです。

そして、ビタミンDを十分量摂るには、つぎの行動が必要です。

【摂るべき栄養素】をサポートする行動

食べ物からのビタミンDはその後肝臓と腎臓で代謝され、この行動をすると働く形の活性型ビタミンDになります。

それは、「日光を浴びる」です。日光の紫外線をうまく利用して体に必要な栄養素をとりこみましょう!

浴び過ぎの注意ばかりがクローズアップされる紫外線。実は「体に必要な栄養素」を生成する大切な働きをしているのです。紫外線と上手に付き合いながらビタミンDの不足が起こらないようにしていけばいいですね。

特に5月から8月にかけて紫外線が強くなり、紫外線量が多くなると言われます。紫外線を浴びすぎると日焼けだけではく、皮膚を乾燥させてシワやシミの原因になったり、細胞のDNAを傷をつけることもある侮れない紫外線。日頃はこの紫外線から逃れる工夫を駆使していらっしゃると思います。

ですが、体に必要な栄養素と紫外線が関係するので避けてばかりはいられません。こんなことでも大丈夫という浴び方を以下にあげますね。

紫外線の浴び方のポイント

紫外線を浴びて「天然型ビタミンD」を自ら生成できるなんて、すごいこと!!でも、特別なことは必要ないんです要は紫外線の強さを意識して、ビタミンDを生成するだけ浴びることができればいいのです

ポイントは「紫外線は皮膚から吸収」観るだけより全身浴びればいいのです。

紫外線を吸収する部位を多くするには
 ・腕まくりをして日光に当てる
 ・襟元をあけてみる、デコルテのあいた服を着る
 ・暖かい日には、半袖短パンツも!
 ・手の平を太陽に向ける

時間を短くしながら、照射される面積を多くすれば、一か所に当たりすぎませんので工夫してみましょう!

「長時間強い紫外線を浴びないこと」にご注意ください。一度に日に焼けるほど浴びなくて大丈夫。だけれど、日光が出た日に小まめに浴びるようにしてみましょう。

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