にのみや鍼灸室では、感覚を大切にしています。
鍼灸で体感覚
コースの最後にお出しするその方に合ったお茶で味覚(薬膳の意味もあります)
音叉(振動・波動)の聴覚
サロン内と施術室のアロマで嗅覚
これらを体感して頂いていますが、ここではなぜ嗅覚を大切にしているかについてお伝えしますね。
過去のアロマブレンドについてはこちらからどうぞ
更年期女性とアロマ
このようなことから、特に40代以降の女性の各施術コースと脳のキネシオロジー&キネシヒーリングにリラックスと脳の視床下部、嗅神経から自律神経、各種ホルモン分泌のために嗅覚への働きかけを取り入れています。
女性と嗅覚
女性は男性に比べて嗅覚が優れているのはご存じでしょうか。
人間の嗅覚に関する研究では、「女性の嗅覚細胞は男性の1.5倍」と言われます。
嗅覚には男女差があり、かなり以前から一般的に女性のほうが鋭いとされているが、それを裏付ける報告があったのは2年半ほど前だ。 ブラジルのリオデジャネイロ連邦大学とサンパウロ大学と米カリフォルニア大学の共同研究の結果として「女性の嗅覚細胞は男性の1.5倍」と報告された。
人間の嗅覚に関する研究
女性の方がにおいに対する感受性が豊かだと示唆した 2017年4月にNature(ネイチャー)で発表された論文があります。
これは、女性の方が脳でにおいを判断するときに信号の強弱をつけやすい、すなわちにおいに対する感受性が豊かだということを示唆しています。
またこの研究からは、 嗅覚は男性女性とも性ホルモンの影響を強く受けることがわかっています。
2017年4月にNature(ネイチャー)で発表された論文では、マウスにおいてメスの嗅覚はオスよりも鋭いという報告がなされました。(PMID: 28443629)
実験結果では、以下のように結論付けられています。
1.嗅球の糸球体の反応がメスの方が速い。
2.一つのにおい物質でメスの方がより多くの糸球体が反応する。
性腺(オスは精巣、メスは卵巣)を取り除いたマウスは、嗅覚がほぼ同じ精度になる
生理中は匂いの感じ方がきつくなるという患者さんは多いです。
女性の感受性は、ホルモンの影響も過剰に受けていのでしょうね。
嗅覚でリラックス
ストレスを制御する方法の一つにアロマがあります。
アロマが嗅覚経路に作用し、嗅球に達した香り情報は次の神経に伝達され、*大脳辺縁系に達します。
*大脳辺縁系は学習・記憶、情動などの機能と密接に関連している部位
そして、香り情報はさらに視床下部に伝えられます。この視床下部は自律神経系や内分泌系を支配しているのですが、具体的にアロマの作用について説明しましょう。
嗅覚へのアロマ作用
アロマは、その種類によって交感神経系あるいは副交感神経系に作用します。
自律神経系は交感神経系と副交感神経系から成っています。
交感神経系はストレスまたは緊張状態に備えるような働きを担います。
例えば、心拍数・呼吸数・血流量の増加、血圧の上昇、および消化運動の抑制などを引き起こします。
副交感神経系はリラックスした状態で働くのです。
心拍数・呼吸数・血流量・血圧の低下させたり、消化運動を活発にしたりします。
このことから、香りを嗅ぐことは中枢神経系を刺激あるいはリラックスさせる効果をもつとわかります。
そして、香り情報は内分泌系を介してストレス状態に対応したり免疫能に影響します。
ストレスが負荷されると、視床下部からのコルチコトロピン放出因子の分泌が促進され、
下垂体前葉から副腎皮質刺激ホルモン、副腎皮質からはグルココルチコイドが分泌されます。
そして、最終的に免疫能の低下が引き起こされるのです。
ストレス・疲労で免疫機能が低下すると病気になりやすくなるのはこのためです。
一方、リラックスした状態ではグルココルチコイドの産生・分泌は低下し、免疫能が強く働いていきます。
このように、アロマオイルの香りが嗅覚と感覚認知に影響を与えるとともに、
自律神経系、内分泌系、免疫系などにも作用し、生体機能の調整に関与すると考えられるのです。
五感のうちの嗅覚
五感は、①視覚 ②聴覚 ③嗅覚 ④味覚 ⑤体感覚があります。
嗅覚は、認知症予防と関係があったり、リラックス効果があったり、危険察知に重要な働きがあったりします。
視覚や聴覚とくらべると、嗅覚から得る情報はわずかだといわれているため、
嗅覚は無くなっても異常を感じにくく、改善に繋げにくいのです。
鼻の症状と思って、脳の状態を見過ごしてしまう事にもなり得ます。
昨今、嗅覚異常を訴える人が増えているにもかかわらず、経過を見続けてしまうケースが多く、
そこから派生した身体と心理面の異常を訴える人が後を絶えません。
嗅神経は鼻から脳に直結して記憶と関連し、「プルースト効果」といわれる埋もれていた記憶がにおいによって瞬時に蘇る現象が起こるなどの働きが立証されています。
嗅神経末端で嗅細胞は再生を繰り返すので、他の神経細胞とは異なるのです。
そんな嗅神経と嗅覚がストレスを感じることで、嗅覚が衰えたり、脳のキネシオロジーでは嗅覚が潜在意識下で感情と結びついて過剰な防衛反応に繋がっていることを見つけて、解除するきっかけになっています。
高齢になると嗅覚が維持できなくなる
また、年齢が上がるごとに匂いを感じなくなるのは、嗅神経の退化、脳の嗅覚野の働きが落ちることとも関係します。
高齢者の嗅覚機能の低下は徐々に進むため、本人が自覚しにくく、周りも気付きにくいという問題もあります。しかし、それを軽視していると、生活の質を低下させるだけでなく、思いがけない災難に見舞われる危険性もあるので、「年齢を増すごとににおいを感じにくくなる」という事実を、本人だけでなく、家族もしっかりと理解しておくことが大切です。
嗅覚低下で“味気ない”人生に―加齢が最大のリスク要因、予防には運動が有効
また、高齢者は嗅覚が落ちてしまい、健常な高齢者とフレイル、サルコペニアの人で、識別できないにおいの種類にも違いがあることもわかりました。
嗅覚は視覚や聴覚と同様、加齢とともに衰えていく。ただやっかいなことに、他の感覚と異なり低下していても気づきにくく、しかも健康診断の項目にもない。しかし、嗅覚の低下は、食事がおいしくなくなったり、腐敗やガス漏れ、火事といった危険をすぐに察知できないなど、生活に支障を来す。さらに、認知症をはじめ、さまざまな病気のリスクとなるフレイルやサルコペニアと関連することもわかってきた。
特集 においの科学 「フレイル」「サルコペニア」の予防につながる「嗅覚」の維持
年を経て落ちてしまうと取り戻しにくい機能は、更年期からケアしておくことは大切なのです。
嗅覚の働きと鍼灸・漢方薬
嗅覚は原始的な感覚とされにおいで危険を察知し、身を守る重要な役割があります。
漢方薬・生薬の世界では、においは医薬品の品質のものさしのひとつになったり、
鍼灸の望診の中に患者さんの匂いから診断する指針があり、重要な役目を果たしています。
漢方薬・生薬とアロマについては、コアントローティーアロマに含まれている柑橘系の香りを例にして解説しています。
漢方生薬を服用中または、服用されて事がある方は、興味深いことでしょう。
嗅覚に異常を感じたら、放っておかずに早急に匂いを取り戻し、過去の記憶と将来をしっかりと結びつけておきましょう。